サイト編著(代表)
内藤俊史 (Takashi Naito )
お茶の水女子大学名誉教授
連絡先 naitogratitude@gmail.com
生涯における感謝の心
公開開始日: 2020.8.4
2024.1.1 以降、訪問数 :
心理学、哲学 、宗教学など様々な分野の研究を参考にして、生涯における感謝の心について考えます。また、感謝には、恩返しをしなければならないという負債感や、すまないという気持ちが伴うことがありますが、それらの心も対象にします。
[キーワード]: 感謝、感謝心、ありがとう、すまない、心理的負債感、心理学、生涯発達
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言葉の説明
このサイトでは、感謝に関わる言葉を、次のような意味で用いています。
「感謝の気持ち」「感謝感情」
これらの言葉は、それぞれ、個々の状況で短時間生じる感謝の意識と、感謝の感情を指します。 用例、「感謝の気持ちが湧くとき」。
なお、心理学では、個々の状況で生起する感謝の心理的状態を、「状態感謝state gratitude」と呼んでいます。
「感謝心」「感謝の心」「感謝傾向」
これらの言葉は区別をしないで用いています。人が感謝の感情と感謝の気持ちをもつ傾向を意味します。用例、「感謝心が育つ」。
心理学では、感謝の意識と感謝の感情をもつ個人の傾向は「特性trait」とされ、「特性感謝 trait gratitude」と呼ばれます。特性とは、人が、ある程度、場面と時間を超えて一貫してもつ傾向を意味します。感謝の気持ちを生じさせる個人の内にある心といってもよいでしょう。
「感謝行動」「感謝の行動」
二つとも、感謝を相手に伝えることを目的とした行動を指します。相手にお礼を言うなど、様々な行動が含まれます。それらの行動以外にも、感謝は恩返しを初めとして様々な行動を導きます。広く感謝によって導かれた行動は、「感謝によって生じた行動」「感謝にもとづく行動」などと表記します。
「感謝」
感謝の意識、感情、行動を含む一連の行為を意味します。